リンゴと背景はCanvaより。
2005年6月12日、アメリカのスタンフォード大学の卒業式で、Steve・Jobs氏がスピーチをしました。
まっすぐで、ユーモアがあって、力強いメッセージを伝えてくれるこのスピーチは、とても有名になりました。
以下のYouTube動画に日本語字幕がついたスピーチがあります。
こちらは、英語の全文です。
卒業という節目を迎えられる方々、おめでとうございます。
コロナウィルスの影響で卒業式をできない学校も多いと聞きました。事情が事情とはいえ、残念ですよね。一日も早く収束しますように・・・。
要約
すべてを視るか読むことをおススメしますが、ものすごく要約すると以下のようになります。
Jobs氏の体験談①
大学を中退して、おもしろそうと思ったクラスだけ受講。思いがけず、それが10年後に役に立った話。
アドバイス①
(私の要約)今やっていることが役に立つかどうかなんて分かるものではない。振り返ってみて初めて分かる。
点がやがてつながると信じることで、 たとえそれが皆の通る道からはずれても、自分の心に従う自信が生まれます。
引用元: Steve Jobs氏のスピーチ動画の日本語訳
体験談②
会社をクビになり打ちのめされたけど、自分がしていたことへの情熱があったから、やり直せたこと。
アドバイス②
(私の要約)好きなことを見つけよう。
時として人生には、レンガで頭を殴られるようなひどいことも起きます。しかし信念を投げ出してはいけません。私が続けられた理由はただ1つ、自分のやっている仕事が好きだったということです。
引用元: Steve Jobs氏のスピーチ動画の日本語訳
体験談③
ガンで死を宣告された経験。
アドバイス③
(私の要約)自分の心に従おう。
自分も死に向かっているという自覚は、私の知る限り、何かを失ってしまうかもしれないという思考の落とし穴を避けるための最善の策です。自分の心に従わない理由はありません。あなた方の時間は限られています。他の誰かの人生を生きて無駄にしてはいけません。
引用元: Steve Jobs氏のスピーチ動画の日本語訳
まとめ
若い頃に好きだった雑誌を紹介。
その雑誌の最終号の背表紙から、卒業生に贈る言葉を引用。
Stay Hungry. Stay Foolish.
引用元:Steve Jobs氏のスピーチ中の引用 The Whole Earth Catalog より。
Steve・Jobs (1955年2月24日 – 2011年10月5日)
アップル社の創業者の1人。 「Macintosh(マッキントッシュ)」の開発を主導 。 ピクサー・アニメーション・スタジオを設立。
引用元: Wikipedia
感想
私がこのスピーチをじっくりと読んだのは、2019年。スピーチの14年後です。
朝活で英語の勉強を始めた頃でした。
利用した英語学習サービスからのメールに、名言が添えてありました。
そこに、このスピーチからの抜粋がありました。
3つ目のアドバイスにあった文の訳です。まとめに入る直前の文です。
自分の内なる声、心、直感は、君が本当になりたいことが何か、とっくの昔に知っているんだ。
引用元: 「スティーブ・ジョブズ 名語録」 PHP出版刊 桑原晃弥著
・・・響きました。訳の美しさも染み入りました。
確かに、本当は、知っているんだよなぁと思いました。
だけどできそうにない、才能がない、時間がない、資金がない。
と、そういう気持ちに蓋をしているのは自分。
失敗して傷つかないようにしたり、無理だから無駄になると小賢しくなっているのも自分。
必要な努力を面倒がっているのも自分。
でも本当は、知っている・・・。
何も努力していないと「夢」とか言いづらいけど・・・、
「願望」という形で、心の奥底に何かがたまっていたりしませんか。
願望の中に、自分の「好き」や「情熱」の種が隠れていると思います。
例えば、ブロガーになりたいという願望を持ったのは、私が読むのと書くのが好きだったからだと思います。
フィギュアスケーターとかがどれだけかっこよく見えても、選手になりたいという願望は私にはありません。憧れでスッキリと終わります。
心の底の淀みに目を凝らして。
自分の気持ちをすくいだして。
それに従ってみるのが大切なんだと思います。
正直、もっと早く見つけたかったというのはありますが★。
遅すぎる・・・なんて、またウジウジしたら、人生あっという間ですから、もったいないですね。
中にはとても若い頃から、「好き」「情熱」を見つけている人もたくさんいます。
何やかんやと考えなくても、行動力や知識欲、歌唱力、身体能力に突き動かされるように「好き」を見つける人もいますよね。
私はそういうのは無く、何をしたいとか、分かりませんでした。
ずっと無趣味コンプレックスもありました。
・・・今もチョットありますケド、
とりあえず、ブログ大好きになっています。
好きを増やしていきたいという意識も芽生えています。
願望をヒントにして行動を起こし始めると、
「好き」や「情熱」に気がついたり出会ったりして、夢とか希望が生まれるのかなと。
見つけると、今度は「好き」や「情熱」がエネルギーになって、身体を動かすのだと思います。
やってみて、「あ、違ったかー。」となることも多々あると思いますが、それはもう淀みにはならない。やって確認したわけですから。
私は、ブログを続けてはいるけれども、大きな結果は出せていないし、これからも出ないのかもしれません。でもこの『点』が、いつか何かにつながる可能性はあります。
そして、夢中になるのも好きと言うのも自由です。
それが、私にとっては意外と度胸がいることで。
「”得意”にできない」ということを足かせにして、多くの「好き」を自分で潰してきたような気がします。その・・・プライドなのかなぁ、それが自分の思考に入り込まないように意識するようになりました。
「どう思われるか」とか「プライド」とか「失敗する恐怖」とか、死を前にしたら、どうでもいいと。自分の心の声に従うのが大切なんだというポイントは、3つ目のアドバイスで語られています。
このスピーチは名言にあふれていて、人それぞれ、一番響く部分が違うはずです。
今からだと15年も前のスピーチですが、きっとずっと、気づきを与えてくれたり、背中を押してくれたり、折れそうなときに支えになってくれたりすると思います。
おわりに
3つのアドバイスに共通しているのは、自分の気持ちを大切にして、自分を信じてということだと思います。他人と違うことを怖れたり、他人が言うことに惑わされないで、と。
- 自分がやりたいことをやって点を増やしていく。必ずつながると信じる。
- 自分の好きなことを追求する。
- 自分の心に従って生きる。
Jobs氏が、これらを体現されていたということが、重みをくれます。
Stay hungryの意味
そのエッセンスがつまった言葉として、最後に”Stay Hungry. Stay Foolish.”が紹介されていると思います。
ハングリーであれ、愚かであれ。
「ハングリー」をカタカナ以外にするなら何だろうと考えてみました。
慢心するな、求め続けろ、貪欲であれ、志を持て、進み続けろ・・・とかが思いつきました。
私は「貪欲であれ」を選びたいです。
スピーチによると、このフレーズがあった雑誌の写真は、早朝の道路だったそうです。「進め」的な感じだと思うので、肯定形で表現したい。ただ、キレイすぎるのはちょっと違うような気がして。
“hungry”って、よく使われる方の意味はお腹が空いているっていう、人間の欲求に関わる状態です。
「欲求」に近いくらいの気持ちを持てっていう強さを表現しているのかなと。
日本語で「貪欲」というと、悪い意味にとらえられがちですけど、それもまた、合う気がします。一般論とか既成概念にとらわれるなよって、自分はどう思うのか?っていうメッセージもあると思うからです。
大学の勉強に夢中になれない中、両親がためてくれたお金を使うのが嫌で中退したというエピソードがありましたが、とりようによっては、「せっかく両親が汗水流して作ってくれたチャンスを放棄するのか」「両親は必死に、産みの母の希望をかなえようとしていたのに」という、両親の気持ちや立場に重きを置く捉え方もあります。
でも彼は、自分が何を求めるかを貪欲に探した。自分の人生だから。
その際、空き瓶をお金にしたり、無料のご飯を楽しむガッツがあったのは大事だと思います。そしてやることが分からないときでも、彼は動き続けています。そこに留まるつもりなんてない。他人の物差しも気にしていない。
生半可な気持ちで真似できることではないですから、早まってはいけません。私の場合だったら、本職は絶対やめないと思います。自分や家族が食べられなくなるのは嫌です。この「嫌」も、大切にするべき自分の気持ちです。体験談と同じことをしても意味はなくて、アドバイスの方を自分に反映するといいですよね。
現実的な話をしてしまいました。メッセージに戻ります。
Stay Hungry. Stay Foolish.
引用元:Steve Jobs氏のスピーチ中の引用 The Whole Earth Catalog より。
あくまで両方とも、「状態」を表していて、「動作」について言及していません。「その状態であれ」というstayは動詞ですが、身体的動作ではなく、ここでは心の動きです。
それくらいの気持ち・心持ちでいれば、おのずと足が動く、ということだと思うので、訳には「動作」もいれたくない。
すると、
貪欲であれ、愚かであれ。
というのが私はしっくりきます。「常に」とか「ずっと」を強調でつけてもいいですね。
「愚か」というのも、「人から見て愚かでも」自分がそれを良しとするなら、そうしてみなさいっていう風に私は受け取りました。
ブログの収益化も、今のタイミングで挑戦することって、まぁ、賢いとは言い難い・・・。
10か月過ぎると、壁の高さと厚みを更に強く感じられるようになってきて、足どりが重くなったりします。
でもね、一度切りの、自分の人生。
貪欲で、愚かでいいじゃないか。
自分が、やってみたいのだから。
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